展覧会情報

鯉江良二のわざ
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鯉江良二のわざ

7月26日(土)〜7月31日(木)
午前11時~午後7時・月曜定休
会場:2F展示室
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岐阜の山懐・上矢作を拠点に制作活動をしていた鯉江良二氏ですが、昨年の大病を機に、現在は故郷常滑に戻り新作の構想を練る日々を送っています。

今回の展覧会では、旧作や海外で制作した作品を中心に展観したく存じます。奇想天外な発想で独自の制作技法でもって作られた作品の数々は、陽気で開放的な魅力に富んでいます。
ぜひ、ご高覧くださいますようご案内させていただきます。

 


 

 

鯉江良二氏の轆轤は、スピード感にあふれる

 

 

 

鯉江良二先生の右手は、ゴッドハンド。

中学3年の時、製陶所でのアルバイトの際、事故により右手中指と薬指の第一関節から先を失った。

この右手から、その時代を揺るがす名作を生んできた。

 

 

 

 

 

バーナードリーチが考案したイギリス製の足漕ぎ轆轤を愛用。

 

 


 

鯉江良二君のこと

 

常滑の古陶には、他の古窯ものにみられるような内攻性はすくない。むしろ海洋的なひろがりを私は感じるのである。
鯉江良二君は、その常滑の最も進歩的な作家の一人だ。

古い家をつぶして、その古材で野焼きを敢行した、そのことだけでも仰天したのに、その作品というのが、見れば、ただの土くれを焼き固めたものばかり。ただごろごろと画廊の床全面に敷きつめているのだった。(※1)

やきものというものの原理、それっきりの提示。

感覚とか造型とか美とか、やきものに附随するさまざまの後天的な要素を振り払っての、それは思弁的行為だった。

今度の展示(※2)は、やや進展して、轆轤、釉薬、焼成といった技術と、作者のかかわりを、原点的にみつめ直そうとしているように私にはみえる。

彼に潜在している強いふてぶてしさ、さらに加えて、ひと一倍の優しさすらが、もうその原点的表情から匂い立っている。

 

                                          八木一夫  (1976年・記)

(※1) 1973年、京都における初個展の様子
(※2) 1976年、大阪における個展


 

 

鯉江良二 こいえりょうじ

 1938 愛知県常滑市出身

1957 愛知県立常滑窯業高校卒業

1962 常滑市立陶芸研究所入所
         現代日本陶芸展入選

1970 大阪万博の大型陶製ベンチ制作参加

1971 現代の陶芸展出品 (東京・京都国立近代美術館)

1972 ファエンツァ国際陶芸展出品(イタリア)
         国際名誉大賞受賞(バロリス国際陶芸ビエンナレ)

1973 京都にて初個展(造形作品とインスタレーション展示)

1978 現代の工芸展招待出品(京都国立近代美術館)

1981 CLAYWORK「やきものから造形へ」展招待出品

1982 伝統と前衛展招待出品(サントリー美術館)

1986 日本の前衛展出品(ポンピドウセンター/パリ)

1987 鯉江良二茶碗展 (銀座 黒田陶苑)  以降毎年個展開催
         60年代の工芸展招待出品(東京国立近代美術館)

1992 愛知県立芸術大学教授就任

1993 日本陶磁協会賞受賞

2001 織部賞受賞(岐阜県)

2002 愛知県常滑市天竺に穴窯を設営

2004 愛知県立芸術大学教授退官

2008 日本陶磁協会賞金賞受賞

 

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